【第10回】で「非常持出品①」として優先度が高いリストを紹介しました。
ここでは「非常持出品②」として優先度が高めな品名の参考例を紹介します。
参考例として、さらに優先度が高めな品目がありましたら読者のみなさんのご判断でご準備ください!
ここでも強調しておきたいことがあります・・・
それは、「何より最も優先度が高いのが『命』」ということです。
危機が迫る中、非常に持ち出す物をしっかりと準備しようとするがあまり、
「命」を危険にさらしてしまうというリスクには十分ご注意ください。
「非常持出品」リスト
飲食品
それでは、「優先度が『高め』」な「非常持出品②」です。(参考:首相官邸HP)
No. | 品名 | 数量 | 参考 | 準備 ☑ 欄 |
---|---|---|---|---|
1 | 水 | 2リットル | 500mL×4本 | |
2 | 主食 | 1日分 (他は備蓄品) | アルファ米、乾パン、缶パン インスタント麺、シリアル食品 | |
3 | 主菜 | 1日分 | 缶詰、レトルト食品 | |
5 | お菓子 | 1日分 | チョコ、あめ、栄養補助食品 |
衣服
No. | 品名 | 数量 | 参考 | 準備☑欄 |
---|---|---|---|---|
1 | スニーカー | 着用 | 運動靴 | |
2 | ヘルメット・ずきん | 1個/人 | ||
3 | レインウエア | ポンチョ | ||
4 | 上着、下着 | |||
5 | くつした | |||
6 | 防寒着 | |||
7 | 衣類 | |||
8 | サングラス | 防塵メガネ、スキーゴーグル | ||
9 | アルミ保温シート | アルミブランケットなど |
日用品
No. | 品名 | 数量 | 参考 | 準備☑欄 |
---|---|---|---|---|
1 | 懐中電灯、LEDランタン | 1個/人 | 防水性能、長時間使用できるもの | |
2 | ラジオ | 1台 | ||
3 | モバイルバッテリー | |||
4 | 電池 | 適宜 | ラジオやライトは、 同じ種類の電池でそろえるのが望ましい | |
5 | 手袋、軍手 | 1足/人 | ||
6 | タオル | 適宜 |
◆エピソード ~テレビが聴けるラジオ~◆
…筆者の体験談からの解説です。
筆者は、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震を札幌市内で経験しました。
「北海道ブラックアウト」
そうです、北海道が全域で停電したのです。
たいへん大きな被害が広域に発生しました。
かろうじて、筆者の自宅や実家や知人の住宅に被害はありませんでした。
筆者は、ラジオを防災用品として準備していました。
情報入手のためです。
実家は市内にあり、高齢の両親がいます。
耳がとても遠いです。
一般的に高齢者は、テレビをたいへん好んで視聴します。
テレビを見ることが日常なのですね。
そうした中、停電のためテレビが自宅で見れなくなりました。
実際には30~40時間ほどの停電でした。
普段の環境が停電により変わってしまうことで、
精神面や認知面で影響がある場合があります。
高齢者にとってテレビはとても大切な生活習慣ですから。
筆者は、そのラジオを両親に提供しました。
筆者が準備しておいたラジオは、テレビ番組を受信(聴取)できるものだったからです。
筆者自身が、いろんな理由から、災害時はテレビから情報入手したいという思いでした。
その考えが、この地震で被災した高齢の両親にとってはとても幸いしました。
普段見ていた番組が、ラジオを通じて聞こえてくるからです。
日頃おなじみのアナウンサーが情報を伝えてくれる。
当たり前のことがこんなにもありがたいと感じたことはありませんでした。
そうして、数十時間におよぶ停電を、
テレビが聴けるラジオによって助けてもらったと、
準備しておいて本当に良かったと、安堵しました。
今回準備していたラジオを紹介しておきます。
仕様は、
▶テレビ音声を約18時間聴ける。(アルカリ電池の場合)
▶重量:約560g
▶電源:単3電池を4本使用
▶テレビ受信:ワンセグ放送UHF 13~62ch(ワンセグ放送局一覧)(出所:ソニー)
調べてみたら、今では生産が終了しているようです。
少し価格も上がっている印象でした。
ボタンが大きく、音質も安定していたため、誰でも使えるようにと当時は購入しました。
この地震以降、筆者のラジオはずっと実家にいます。
みなさんも、備えのひとつとしてテレビが聴けるラジオも大切な選択肢なのかもしれません。
参考にしてください。
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衛生用品
No. | 品名 | 数量 | 参考 | 準備 ☑ 欄 |
1 | マスク | 複数 | 使い捨てが望ましい | |
2 | 手指消毒用アルコール | ボトルタイプ、酒精綿など | ||
3 | ウェットティッシュ | |||
4 | 体温計 | |||
5 | うがい薬 | |||
6 | 歯磨き粉 | 1本 | 使用するときは接触感染予防への配慮が必要 ラップなどに必要量取り出す工夫など |
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↓はアルコール消毒用の脱脂綿です。注射を打つときの消毒に使います。
1回1回が個包装です。手指の消毒に適しています。
簡単に使用し捨てることができます。
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非常持出品②の目的
ここでご紹介している品名は、例えば台風や大雨など、
一過性の短時間に訪れる災害リスクを乗り越えるための「非常持出品②」としています。
目安は、想定避難時日で数時間~1日程度になります。
特に、記録的短時間大雨情報や大雨特別警報などで、近くの川の氾濫リスクが上がったときです。
事例検討
例えば「〇〇川氾濫警戒情報」が発表されたとき、
これは「警戒レベル3相当」です。
つまり、「高齢者等避難」にあたる災害リスクが今そこにあるということになります。
自治体からの「避難情報」発表が聞こえなかったり、確認できなかったり、
遅れて届く場合ももちろん起こる話しですから、
この情報を得たときには高齢者等は自らの判断で「すでに避難を開始」をすることが望まれます。
そうでない人は、こういった緊迫時に準備するのが「非常持出品②」と考えてください。
普段、準備を十分にしていなかったケースでの「緊急準備」のタイミングになります。
そういった、避難後の数時間~十数時間を乗り越えるような準備になるとご理解ください。
忘れてはいけない心得
ただし、「何より最も優先度が高いのは『命』」です。
準備をしっかりとしようとすることはたいへん危険ですから、
誰かは「外の道路状況」「ライブカメラで河川の状況」「裏山の斜面や水の流れ」など
災害リスクをモニタリングしている中で準備することが望まれます。
おわりに・・・
「非常持出品②」として「非常持出品①」続編をご紹介しました。
いざというときは、訓練や心の準備ができていないとなかなかスムーズにはいきません。
あせりや、抜け、漏れ、準備の二度手間などが発生します。
・あらかじめ「非常持出品を準備」しておくこと
・あらかじめ「非常持出リストを準備」しておくこと
・あらかじめ「準備をする練習」を行うこと
・あらかじめ「準備について家族で話し合う」こと
など、「あらかじめ」の備えや行動がとても速やかな避難準備には大切になってきます。
ぜひ何か一つ「あらかじめ」の行動に着手してはいかがでしょうか。
「知った『今がスタートライン!』です!」
「命」を守るための日頃の準備をぜひすすめましょう!