【第57回】 デンタルフロス:歯磨きの前?後?…中?

健康
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今回は「🦷デンタルフロス」のについてご紹介します。

前回「【第56回】8020運動」の続編になります。

いろいろなところでフロスの順番が解説されているのでそちらもご参考にされてください。

歯ブラシ、フロス、歯間ブラシ

歯ブラシ、フロス、歯間ブラシの歯垢(プラーク)の除去効果

図1.歯間ブラシの歯間部のプラーク除去効果(出典:日歯保存誌(2005年))

▶歯ブラシ「ブラッシングのみ」
 …61%の歯垢を除去できます。

▶歯ブラシ+フロス「ブラッシング+フロス」
 …79%の歯垢を除去できます。

▶歯ブラシ+歯間ブラシ(ブラッシング+歯間ブラシ)
 …85%の歯垢を除去できます。

歯ブラシ、フロス

ブラッシングとフロッシング順序による影響

米国歯周病学会(AAP)が発行するJournal of Periodontology(JOP)誌の特集をもとにご紹介されています。(参照:Dentalism 34 SPRING 2019

◆情報元は、米国歯周病学会のようです。

◆タイトル「ブラッシングとフロッシングの順序が歯間部の歯垢減少とフッ化物の維持に与える影響」

◆被験者:25名

◆研究方法:
 ▶第1期 歯ブラシ→フロス
 ▶第2期 フロス→歯ブラシ

◆結果
 全般的に歯間および口腔内の歯垢の量は、フロス→歯ブラシ法を行ったときに有意に減少した。

◆考察
 フロッシングは、歯間の細菌と残屑(ざんせつ:残りかすのこと)を解きほぐす効果がある。
 ・フロッシング後のブラッシングのあとの含嗽(がんそう:ブクブクうがい・すすぎのこと)は、解きほぐした残屑を取り除くことができる
 ・歯磨き粉などで使用される有効成分「フッ化物」(むし歯予防に役立つ物質)の歯間への残存効果が高まる

以上のような概要になります。

オーラルケア(口腔ケア)の生活習慣化

小括

口腔ケアで大切なことは、歯垢(プラーク)を取り除くことです。
他にも、口腔内に潤いを与えて、細菌や老廃物などの排出にも役立ちます。
さらには、歯肉のマッサージ効果による血流促進・改善や組織再生・新陳代謝にも効果が期待できるでしょう。

以上から、ぜひとも口腔ケアを生活習慣化してみてください。
すでに実践されている人は引き続きの実践をよろしくお願いします。

少しでも不安や心配といった心あたりがある人は、
今回を機に実践して生活習慣化を試みてはいかがでしょうか。

歯間ブラシはたいへん有効であることがわかりました。
オーラルケア用品で有名なサンスター(出典:デンタルフロス/歯間ブラシの使い方)は、
 ▶デンタルフロス
 ▶歯間ブラシ
の使用方法について解説してくれています。
 ・動画での解説
 ・イラストでの解説
 ・文字での解説
があり、たいへんわかりやすく解説されていますのでぜひ一見されることをオススメします。
なんとなく使用していた人にも参考になると思っています。

筆者の視点を交えた小括

これまでの説明では、
 フロス→歯ブラシ
という順序での研究成果をもとに解説がされていました。

ここに筆者の考察内容を加えていきたいと思います。

 「歯ブラシ→フロス→歯ブラシ

の方法をご紹介します。
 ▶①:ブクブクすすぎ
 ▶②:歯ブラシ(からみがき)
 ▶③:フロス
 ▶④:歯間ブラシ
 ▶⑤:歯ブラシ(フッ化物入りの歯磨き粉を使用)
です。

①は、口腔内の残屑をザックリと排出します。
②は、歯の周囲に付着している歯垢や食べ物のカスなどを除去します。
③④は、歯間のブラッシングでは届かない部分の清掃を行います。
⑤は、齲歯(うし:むし歯のこと)予防に有効な成分を行き渡らさせるようにブラッシングとマッサージを行います。

さらに、一番外側の歯(7番目、端っこの歯)の外側
フロッシングしてみると良いでしょう

筆者もこれまでいくつかの歯科医院にお世話になってきました。
いずれの歯科医院でも、これまで、一番外側の歯の外側のフロスについて、
説明を受けたことはありませんでした
念のため、歯間へのフロッシングという意味では、そういった歯科医院の説明自体、
全く問題ありませんし、否定されるものでももちろんありません。

あくまでも筆者の視点であることにご留意ください。

筆者としては、フロスッシングが歯と歯の密接部に対する歯垢除去目的であることから、
数年前まで疑問をもつことなく歯間だけをフロッシングしていました。
そのような中、一番外側の歯の外側はこれまで虫歯ができたり、
歯周ポケットが深い傾向があることも知っていたため、
今回のような提案をしてみた次第です。
歯ブラシが届きにくいという意味では、歯間も7番の外側も同じように捉えてみました。

おわりに・・・

今回は「🦷デンタルフロス」のについてご紹介しました。
ブラッシングとフロッシング、そして、歯間ブラッシングのお話しでした。

歯垢1mgには細菌1億個がいるといわれています。
歯ブラシでは届かない部分への日々のケアは必要でしょう。
どれだけ歯ブラシに時間を費やしても、
歯間への効果は期待できないと考えて、フロスや歯間ブラシを取り入れることが大切です。

歯ブラシをしているのに、虫歯ができると疑問を感じる人は、
それは、歯ブラシの習慣が問題ではなく、
歯間へのケアが衛生的に不足しているという問題になります。

筆者は、歯間ブラシやフロスを取り入れてから、
むし歯ができなくなりました。
以前は、歯磨きしてもいつかは虫歯になるとあきらめていた時期もありました。
「こうやって少しずつ歯が減っていくんだな~」とあきらめていました。
いよいよ疑問が晴れたのは、フロスを試してからの変化になります。
歯垢(プラーク)は、ただちにむし歯を引き起こすことはないのかもしれません。
一方で、歯垢を放置することが長期に及べば、
むし歯となってしまうということも明らかです。
そこで、歯ブラシに加えて、フロスや歯間ブラシを組み合わせることのありがたさを実感するようになりました。

しかし、図1でもご紹介したように、
歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスのすべてを取り入れても、十分ではないことを付言しておきます。
そのために、定期的に歯科受診することが大切なのではないでしょうか。
歯科のお勧めする間隔で定期受診をされることを筆者もオススメします。
歯のメンテナンスも、身体のメンテナンスと同様に大切です。
「病は歯から!」
「病は口から!」
知った「今がスタートライン!」です。

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