【第66回】 痛風:関節に激烈な痛みを伴う発作

健康
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今回は「痛風」をご紹介します。

足の親指がとても痛くなるなど、関節の激痛に悩まされる人もいるかもしれません。

発生の原因を知ることで予防に役立てていきましょう。

※とは言いましても、痛風は高尿酸血症という病気です。
予防のための知識として本記事をお使いくださいますようお願いします。
痛風は尿酸代謝という健康の異常です。
そのため、気になる症状がある場合、生活習慣に不安がある場合などは、
かかりつけ医に必ずご相談いただきますようお願いします。

参照:病気がみえるvol.3(第4版)

痛風

総論

痛風とは、「尿酸塩結晶」が関節内に析出され、これが激烈な痛みを引き起こすことで起こる急性関節炎発作を主な症状とする症候群です。

「尿酸」の代謝異常による「高尿酸血症」が原因です。

進行すると皮下結節や腎機能障害を引き起こすこともあります。

痛風の発症経過

①無症候性高尿酸血症
 ・尿酸値は高いが、症状のない状態
 ・尿路結石を発症することもある。

②痛風発作
 ・突然、足の指の関節に激痛が発生
 ・赤く腫れあがる。ぱっつんぱっつんになる。
 ・歩くことさえ難しくなる。

③症状のおさまり(間欠期)
 ・症状は、放置しても1週間以内にはおさまる。
 ・まったくの無症状になる。

④慢性期(治療せず放置することによって)
 ・足の指(足趾)、手の指(手指)、耳たぶ(耳介)に痛風結節(ニキビのような小さなコブ)ができる。
 ・関節破壊(関節の機能低下や変形のこと)が生じることもある。

診断

血清尿酸値7.0mg/dL以上
高尿酸血症と診断されます。

症状

①全身の皮下組織に「痛風結節」が発生する。
 ・尿酸塩の結晶が軟骨、腱、皮下組織などに貯まったもの。
 ・痛みはない。
 ・血流が乏しい、足趾、足背、手指、肘関節、耳介が好発部位
 ・血清尿酸値6.0mg/dL未満にコントロールできれば縮小・消失する。

②痛風腎
 ・尿の酸性化により尿路結石
 ・尿酸塩結晶が沈着することにより腎臓の髄質機能低下=慢性間質性腎炎
 ・腎臓にある細動脈硬化により腎臓の皮質にある糸球体や尿細管などがダメージを受ける
  =細動脈性腎硬化症

③急性関節炎

④動脈硬化を進行させ、脳血管疾患や心疾患を引き起こすこともある。

原因

・多くの症例では、遺伝的に尿酸の排泄が低下した人にさまざまな環境因子が関与して高尿酸血症となっていると考えられている。
・原因はさまざまであり、現状は研究途上です。
・暴飲・暴食、肥満、激しい運動などが原因とする考え方もあります。

予防

環境因子への取り組みが予防として効果的です。

①高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満の合併が多いことから、これらの予防とも関連した取り組みを実践ましょう。

プリン体を多く含む食品の摂取を控えめにしましょう。
 ・ビール、アルコール
 ・魚の干物
 ・動物の内臓
 ・乾物(削り節など)
 ・果糖(果物、清涼飲料水)
 などがあります。

③運動不足の解消、適度な運動(有酸素運動を取り入れてみましょう)

水分補給(十分な水分をとりましょう)
 ※ただし、心臓、腎臓に病気がある人や持病のある人はかかりつけ医とご相談ください。

⑤精神的なストレスの軽減

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おわりに・・・

今回は「痛風」をご紹介しました。

痛風と聞くと、とても痛いイメージがある方も多いのではないでしょうか。
仕事にも大きく影響します。
関節が痛いだけで終わる話でもありません。
症状が出た人は必ず病院で受診しましょう。
受診することで、今の自分の状態を客観的に知ることができます。

また、痛風を軽く見るのもたいへん危険です。
腎機能への影響もですが、
心疾患(心筋梗塞など)の発症や、脳血管疾患(脳梗塞など)の発症のリスクもあります。
また、生活習慣に改善すべきところがあることの警告を発しているという身体の反応でもあります。
せっかく身体が発してくれたリスクの警告を見過ごしたり軽視することなく治療や生活習慣の改善へとつなげていって欲しいと思います。
たいせつな人のためにもよろしくお願いします。

筆者の知人にも痛風患者は一定数います。
その方々の多くの傾向として、
「痛風だから大丈夫」「薬飲むから大丈夫」
という言葉をよく口にします。
そういう方々のさらに多くの傾向として、
 ▶肥満、メタボリックシンドローム
 ▶過食(筆者よりも年配者が多く、筆者よりも食べます)
  …大盛を頼む傾向があります。
 ▶お酒好き
 ▶「最近、運動習慣を取り入れました」と言って、週1回以下。
  さらに体重増加
を筆者は観察しています。
もしかすると、統計的な数字をとってみることで計数的に評価できるかもしれません。

読者のみなさんの周りにも同様の方がいらっしゃいましたら、
ぜひ、生活習慣の改善をお手伝いしていただけるとありがたいです。
冒頭でも申し上げましたが、気になる症状が出現していたり、
気になる生活習慣がある場合には、ぜひともかかりつけのお医者さんにご相談ください。
高尿酸血症には診断における医学的な病気分類があります。
必ず専門医の診断を頼っていただけますと幸いです。
知った「今がスタートライン!」です。

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