【第19回】 身近な自然災害:日本はこんなにも災害リスクが身近なのです!

メカニズム
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自然災害は私たちの生活を一変させます。

自然災害には、風水害地震火山雪害、などがあります。

今回は、自然災害の概要を整理してお届けします。

日本において、自然災害はとても身近にあることがおわかりいただけると思います。

地震

自然災害の中でも、ほとんどの人が地震を経験したことがあるかも知れません。

「地震大国日本」と言われるほど、日本は世界的にみても地震の発生数が多くあります。

さらに、発生数が多いだけでなく、発生規模も大きいこともわかっています。

日本は地震の集中地帯

その背景にある部分の概要をご確認ください。

図1.世界のマグニチュード6以上の震源分布とプレート境界
(出典:気象庁作成「令和4年防災白書に掲載」)

図1は、地震の規模M6以上発生分布です。
日本が突出した発生状況であることがひと目でおわかりいただけると思います。
震源が浅いものから深いものまで発生状況もまた多様です。

写真からみた地殻構造

図2は、地球のおおむね全体を写真で見たときの画像です。

図2.地球の俯瞰写真(出所:Googleマップ航空写真から作者修正)

地形として、陸や海での起伏から、プレート境界のおおまかな概要を確認することができます。
陸地では、植生の違い、例えば、緑が濃い部分と薄い部分がはっきりしている境界、
海底では、大陸棚と呼ばれる浅いところ、トラフ(政府地震調査研究推進本部)、海溝(政府地震調査研究推進本部)を確認できます。

こういった、陸地・海底でみる境界の部分が、
プレート境界型として発生する地震の震源地になっています。

日本周辺の海溝型地震の地殻構造

ここで、日本周辺において海溝型地震を発生させる概要をみていきましょう。

図3は日本周辺に存在する海溝型地震の発生領域を表した図です。

図3.日本周辺の海溝型地震の発生領域(出所:「令和4年防災白書に掲載」)

 ▶ 北海道東部には、千島海溝があります。
 ▶ 関東~東北地方の東部には、日本海溝があります。
 ▶ 関東地方南部には、相模トラフがあります。
 ▶ 東海地方には、駿河トラフがあります。
 ▶ 東海~近畿~四国~九州には、南海トラフがあります。
 ▶ 九州地方~沖縄地方の南部には、日向灘と南西諸島海溝があります。

海溝型というタイプの地震の発生リスクは世界的にみても高く集中していることがわかります。

主要活断層帯の分布

次に、「主要活断層帯」について概説します。
主要活断層帯とは、「兵庫県南部地震を引き起こしたような活断層の調査も推進されることになりましたが、全国に多数分布する活断層の調査を効率的に実施するため、活動度や活動した際の社会への影響度等を考慮し、基盤的な調査対象として98断層帯を選定しました※。これが「主要活断層帯」と呼ばれるものです(後に見直され、現在は114断層帯となっています)。」(出典:政府地震調査研究推進本部)と説明されています。

まさに、社会への影響が考慮された主要な活断層ということで、
列記されている活断層帯のほかにも、
日本全土にはいくつ活断層帯があることは、念のため補足しておきます。

図4は、このような主要活断層帯の分布を説明しています。

図4.主要活断層帯の分布(出所:政府地震調査研究推進本部

主要活断層の評価結果

図5は、主要活断層の評価結果です。(出所:政府地震調査研究推進本部
(※下図が直接確認することが難しい場合は、リンク先へお進みください。)

図5.主要活断層の評価結果(出所:政府地震調査研究推進本部

30年以内の地震発生確率が
  ▶ 3%以上(赤色)
  ▶ 0.1~3%未満(黄色)
  ▶ 0.1%未満(淡黄色)
  ▶ 不明(灰色)
にランク分けされており、色別に示されています。
ぜひ、みなさんの関係する地域の概要を確認してみてください。

火山

日本は火山列島と言われています。
世界的にみても火山大国です。
図6は、日本の活火山の分布です。

図6.活火山の分布(出所:令和4年防災白書

図中にもありますように、
活火山は111あります。
その中でも、常時観測火山は50です。

地震と火山の関係

図7は、火山と地震の関係性を表したものです。

図7.火山と地震の分布(出所:政府地震調査研究推進本部

△は火山を表しています。
ドットは。地震の震源を表し、その色は震源の深さを示しています。
視覚的にみても、その関連性を確認することができます。

自然災害による死者数など

概況

図8は、昭和20年以降に発生した自然災害による死者・行方不明者数を表したものです。

図8.自然災害による死者・行方不明者数(出所:令和4年防災白書

  ▶ 三河地震(昭和20年)
  ▶ 南海地震(昭和21年)
  ▶ カスリーン台風(昭和22年)
  ▶ 福井地震(昭和23年)
  ▶ 南紀豪雨豪雨(昭和28年)
  ▶ 洞爺丸台風(昭和29年)
  ▶ 伊勢湾台風(昭和34年)
  ▶ 阪神・淡路大震災(平成7年)
  ▶ 東日本大震災(平成23年)
の災害による死者・行方不明者数が突出しているのがわかります。
たいへん甚大な被害を受けた災害です。

1959(昭和34)年の伊勢湾台風をきっかけに、災害対策基本法が作られることになりました。

内訳

表1は、自然災害による死者・行方不明者数の内訳を整理しています。

表1.自然災害による死者・行方不明者の内訳(出所:令和4年防災白書

災害種別を、
  ▶ 風水害
  ▶ 地震
  ▶ 火山
  ▶ 雪害
  ▶ その他
に分類しています。
これまで、たいへん多くの人が被害に遭われていることがわかります。

発生数

 災害種別  風水害  地震  火山  雪害  その他 
発生数60241012
表2.阪神淡路大震災以降の主な自然災害(出所:令和4年防災白書をもとに筆者作成)

表2は、令和4年防災白書をもとに列挙された阪神・淡路大震災以降の主な自然災害について、災害種別ごとにその発生数を整理したものです。

風水害だけではなく、いろいろな災害種別を日本は経験していることがわかります。
また、数年に一度発生している火山災害でも、ひとたび発生するとその影響の大きさが甚大であることも確認することができます。

おわりに・・・

今回は、地殻の概要や自然災害の発生状況などの概要を説明しました。
一つ一つの災害において、とても多くの被害が出ています。
そのすべての被害をゼロにすることはたいへん厳しいです。
しかし、命への被害をきわめて小さくすることは、可能な努力だと筆者は考えています。

そこで、これまでさまざまな情報ツールやその確認方法などをご紹介してきました。
あくまでもたくさんある中からの一例を紹介しているものですが、
みなさんがすでに活用されている情報源などを含めて、
ぜひ、自分にあった使い方にたどりついて欲しいと願っています。

発生する災害の多くは自分に直接関係がない場合がほとんどかも知れません。
ですが、長い人生の中で、ひとつとして災害を経験しないことはないように、
たいへん多くの人は災害を経験します。

起こったその時に、はじめて経験したことでも、
「備え」や「練習」や「理解」や「関心をもつ」ことなどで、
適切な行動がとれるようになります。

はじめてで戸惑うことがないようにするためにも、
知った「今がスタートライン!」です。

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