【第38回】健康増進:現状の健康を維持・増進していこう!

健康
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今回は「健康」について扱います。

健康」は本ブログで初め扱うジャンルになります。

これからジャンルとして追加したいと思っています。

さて、これまで大きな健康異常を経験することなく過ごされている人も多いのかもしれません。

一方で、何らかの健康異常を大なり小なり経験しているケースもあるでしょう。

今ある「『健康』は当たり前」のものではないことを知ることは実はとても大切なことなのです。

生まれてからこれまで享受している「健康状態」は、たくさんの個々人でされている努力や生まれて備わった生理的メカニズムだけでなく、社会の努力や研究の積み重ねのおかげだからです。

そういった、たくさんの努力たちや解剖学的メカニズムなどのおかげを知ることで、引き続き頂いた健康状態を維持し、さらには、増進へと進めていくことができる参考になればいいなと願っています。

「健康」

定義

WHO憲章では、
健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。

と書かれています。

「『健康』といえば、まずは身体的なものを思い浮かべることが多いのではないだろうか。しかし、ただ表面上病気でなければいいというものではない。肉体的にも、精神的にも、更には社会的に見ても、全てが良好な状態でなければ、健康とは言わない、ということだ。」(出典:厚生労働省白書平成26年版)

とあります。

たいへん意味の深い内容になっています。

日本人の死因

図1.死亡率によってみた死因順位:2005~2020年
(出所:国立社会保障・人口問題研究所、人口統計資料集2022年度版)

順位の前後はありますが、大きな傾向は変化がありません。
日本人死因としてみた場合(2020年)
 1位 悪性新生物
 2位 心疾患
 3位 老衰
 4位 脳血管疾患
 5位 肺炎
 6位 誤嚥性肺炎
 7位 不慮の事故
 8位 腎不全
 9位 アルツハイマー病
 10位 血管性等の認知症
となっています。

健康予防

定義

一次予防

一次予防とは、食生活など生活習慣の改善、適度な運動、健康教育、予防接種など、健康的な身体を維持したり、病にかからないように未然に防ぐこと。
一般的に予防という用語だけで使われるときは一次予防を指すことが多い。

二次予防

二次予防とは、早期発見、早期治療を促して病が重症化しないように行われる処置や指導である。

健康診断、人間ドック、臨床的治療などが二次予防になる。

三次予防

三次予防とは、治療過程において、病気の増悪防止に勤めたり、保健指導やリハビリテーションを行うことにより社会復帰を促したり、病気の回復や再発を防止をはかる取り組みのことである。

国の取り組み

概要

厚生労働省は、健康日本21(第2次)(平成25年度から平成34年度)を推進しています。

健康日本21(第1次)(平成12年度~平成24年度)では、具体的な目標の明記の仕方を変えました。
以前は健康局長通知で示しましたが、目標の実効性を高めるため、大臣告示に明記し直しました。
具体的な5つの内容は以下です。

①健康寿命の延伸と健康格差の縮小

・生活習慣の改善や社会環境の整備によって達成すべき最終的な目標

・国は、生活習慣病の総合的な推進を図り、医療や介護など様々な分野における支援等の取組を進める。

②生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCD(非感染性疾患)の予防)

・がん、循環器疾患、糖尿病、COPDに対処するため、一次予防・重症化予防に重点を置いた対策を推進

・国は、適切な食事、適度な運動、禁煙など健康に有益な行動変容の促進や社会環境の整備のほか、医療連携体制の推進、特定健康診査・特定保健指導の実施等に取り組む。

③社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

・自立した日常生活を営むことを目指し、ライフステージに応じ、「こころの健康」「次世代の健康」「高齢者の健康」を推進

・国は、メンタルヘルス対策の充実、妊婦や子どもの健やかな健康増進に向けた取組、介護予防・支援等を推進する。

④健康を支え、守るための社会環境の整備

・時間的・精神的にゆとりある生活の確保が困難な者も含め、社会全体が相互に支え合いながら健康を守る環境を整備

・国は、健康づくりに自発的に取り組む企業等の活動に対する情報提供や、当該取組の評価等を推進

⑤栄養・食生活、身体活動・運動、休養・睡眠、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善及び社会環境の改善

・上記実現のため、各生活習慣を改善するとともに、国は、対象者ごとの特性、健康課題等の十分な把握を行う。

8020運動…健口(健康)運動のことです。

図2.8020運動ポスター(高学年の部:金賞)
(出所:江戸川歯科医師会

「8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動」は、
80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。

愛知県で行われた疫学調査の結果などを踏まえて、平成元年(1989年)に厚生省(当時)と日本歯科医師会が提唱して開始されました。

8020運動が提唱される以前、「一生自分の歯で食べよう」という標語がよく使われていましたが、「8020」は、これを「数値目標化」したものといえます。

「80」は、提唱当時の日本人の平均寿命(平成元年簡易生命表)が男性75.9歳・女性81.8歳でしたので、男女合わせた平均寿命に相当します。人間の一生という時間の流れを象徴した数値です。

一方「20」は「自分の歯で食べられる」ために必要な歯の数を意味します。今までに行われた歯の本数と食品を噛む(咀嚼)能力に関する調査によれば、だいたい20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めることが科学的に明らかになっています。(出所:厚労省e-ヘルスネット

おわりに・・・

今回号より「健康」というジャンルを予防災に加えました。
筆者も医療従事者の一人として、読者の皆様にとって何かお役に立つことができればと思っています。
今回は「健康」初回ということで、簡単な統計資料を提示しました。
今後いろいろと膨らませていければと思っています。
筆者がこれまでも、医療機関や教育機関のほか、活動を通してそうしてきたように、
周囲にいる高齢者や現役世代、若者世代など、
いろいろとうまくいった経験のある内容を中心にお伝えしていきます。
予防できる疾病や障害は予防していきたいですし、
危機管理や医療安全、事故予防の視点(理論と実践)をもとに、
発生予防・発症予防だけではなく、
悪化(急性増悪)や重症化といった方向へ進むことがないような、
分岐点(ターニングポイント、かろうじて後戻りできるチャンス)を逃さないためにも、
重要となる気づきを提供できればと思っています。

筆者は、過去、国防の第一線で勤務していたことがあります。
そのときは、事情があり二桁に及ぶ日数で口腔ケアをおろそかにした体験がありました。
今となってはたいへん悪いことをしたなと、自分の口腔内に謝罪したい気持ちです。
当時は虫歯もありましたし、歯のダメージはかなり大きいものだと今心から気づいています。
もしも、あの状態を続けていれば、臨床でみてきたご高齢の患者さんの歯の欠損が、相当数若いときからあったのではと推察しています。
現在は、自分の歯をすべて28本維持できていますが、油断は禁物だと反省しています。

今では、毎日5回の歯磨きが生活習慣=予防災実践になりました。
起床時、朝食後、昼食後、夕食後、就寝前です。
アイテムも、歯ブラシだけでなく、電動歯ブラシ、フロスも使うようになりました。
当初は、学生時代に、患者さんにも口腔ケアの大切さを伝える立場として、
また、医療実践として口腔ケアがありましたから、
そのときから、自分にも戒めも込めて生活習慣化に取り組んだのを覚えています。
これからも8020を目指していきます。
みなさんもできるところからひとつずつ取り組んで参りましょう!
知った「今がスタートライン!」です。

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