【第40回】 一次予防のススメ:健康は毎日の生活習慣の積み重ね!

健康
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今回は「一次予防のススメ」になります。

「【第38回】健康増進」でもちょっとだけ触れました。

一次予防のススメ」では、その意義をできるだけわかりやすく説明していきたいと思います。

今回の「ススメ」を参考にして、健康的な日々が末永く続いていくことを願っています。

一次予防

概念

一次予防とは、食生活など生活習慣の改善、適度な運動健康教育予防接種など、健康的な身体を維持したり、病にかからないように未然に防ぐこと
一般的に予防という用語だけで使われるときは一次予防を指すことが多い。
(出所:予防災,【第38回】健康増進)

病気の未然防止とは

病気の原因はいろいろあります。
病気の発症に至るプロセスもいろいろあります。

その中でも、特に、「生活習慣」を重視してみていきます。
なぜなら、「生活習慣」が原因による病気の発症者が多いこと、
「生活習慣」を見直すことで防ぐことができる病気が一定数確かな数存在していること、
そして、防ぐことができる病気の多くは上位の死因(【第38回】参照)にも関連していることがあります。

生活習慣病の代表格「糖尿病」(Diabetes)

「糖尿病」とは?

糖尿病とは、インスリンが分泌されなくなる(インスリン分泌障害)、もしくは、インスリンは分泌されるが効きにくくなる(インスリン抵抗性行進)などのインスリン作用不足によって細胞に等が正常に取り込めなくなり、慢性の高血糖となる疾患」(出典:病気がみえるvol.3,糖代謝異常)です。

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私たちが食べた糖分やデンプンは消化されブドウ糖になります。ブドウ糖は体を動かすのに必要なエネルギー源で、血液によって筋肉や臓器に運ばれます。これが血糖です。通常、血糖はインスリンというホルモンによって一定の幅でその値が保たれています。ところが、インスリンが不足したり、うまく働かなかったりすると血糖値が高くなり、糖尿病を発症します。
糖尿病には、疾病(生活習慣ではなく遺伝や別の病気が原因)などによりインスリンの絶対量が不足する1型糖尿病と、生活習慣に大きく原因する2型糖尿病があります。大多数が2型糖尿病で、高カロリーの食事や炭水化物のとり過ぎでインスリン量が不足したり、肥満による脂肪がインスリンの働きを悪くしたりして、血糖値が高い状態を引き起こします。(出所:京丹後市HP)

2型糖尿病
 ・生活習慣が原因
 ・糖尿病患者の95%2型です。
1型糖尿病
 ・自己免疫疾患・遺伝因子などが原因、生活習慣が原因ではありません
 ・糖尿病患者の5%1型です。

「糖尿病」患者の数

▶「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、12.1%であり、
男女別にみると男性 16.3%、女性 9.3%である。

▶「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合は 12.1%であり、
男女別にみると男性12.2%、女性12.1%である。

つまり、糖尿病が国民の10人に1人以上糖尿病予備軍も10人に1人以上いる。
ということになります。

な、なんと、…

40歳以上の3人に1人が、糖尿病・糖尿病予備軍であることが明らかになっています。

国民全体でみても4人に1人が糖尿病・糖尿病予備軍であることになります。

図1.「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合の年次推移
(20歳以上、総数・男女別)(平成9年、14年、19年、24年、28年)
(出所:平成28年「国民健康・栄養調査」の結果の概要)

図2.「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の推計人数の年次推移
(20歳以上、男女計)(平成9年、14年、19年、24年、28年)
(出所:平成28年「国民健康・栄養調査」の結果の概要)

「糖尿病が強く疑われる者」は約1,000万人と推計され、平成9年以降増加しています。
「糖尿病の可能性を否定できない者」も約 1,000 万人と推計され、平成9年以降増加しています。
平成19年以降減少傾向です。

▼「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の判定▼
①「糖尿病が強く疑われる者」とは、
 ヘモグロビンA1cの測定値がある者のうち、
 ヘモグロビンA1c(NGSP)値が6.5%以上
 (平成19年まではヘモグロビンA1c(JDS)値が6.1%以上)、
 又は「糖尿病治療の有無」に「有」と回答した者。
②「糖尿病の可能性を否定できない者」とは、
 ヘモグロビンA1cの測定値がある者のうち、
 ヘモグロビンA1c値が6.0%以上、6.5%未満
 (平成19年まではヘモグロビンA1c(JDS)値が5.6%以上、6.1%未満)で、
 「糖尿病が強く疑われる者」以外の者。

いわゆる、
①は、糖尿病治療中、または、検査結果が糖尿病としての値に該当、
②は、糖尿病の境界型、つまり、検査結果が基準値を超え糖尿病の確定診断に近づいている値
という人びとになります。

予防のヒント

今回は2型糖尿病を対象にした予防災をご紹介します。
1型糖尿病を対象としておりませんことをご承知おきください。

健康日本21(厚生労働省)では、ザックリ言いますと
▶①成人の肥満者(BMI≧25.0)の減少…BMI25.0以下を目指しましょう!
 =BMI(体重kg÷身長m÷身長m)
  例)BMI(体格指数)=体重65kg÷身長1.75m÷身長1.75m=21.2
▶②日常生活における歩数の増加
▶③質量ともにバランスのとれた食事

を掲げています。

詳説①肥満にならないようにしましょう!
詳説②運動量を増やしましょう!
詳説③食事を適切・適量にしましょう!

生活習慣病(糖尿病)の予防に向けて

ではどうしたら良いのか?~あなたの生活リズムとリスクの前提の理解を!~

たくさんの糖尿病患者がいるということは、それだけ予防も難しいという理解が大切です。
それは、生活習慣に原因があるからではないでしょうか。

生活習慣の見直しとても難しいアプローチのひとつだといえます。

糖尿病は、国民病と言えます。
いわゆる、
 「糖尿病に至るプロセス日本人の生活習慣
を形成しているといっても過言ではありません。

生まれてから私たちは、家庭やコミュニティなどの世界の中で成長していきます。
食事、運動、生活リズム…はその生活観の中で育まれていきます。
親、先輩、上司、友人、同僚…の生活パターンを、
何ら疑うことなく自らの生活パターンに取り込んで日々を過ごしています

そういった生活パターンの中に、
当たり前にやっていた生活習慣の中に、
糖尿病に向かうプロセスをたどっていることがあるということです。

・味付け
・調味料の使用方法・使用量
・量・ボリューム
・メニューのかたより/バランス
・付け合わせの傾向
・食事をする時間・食事に要する時間
・食べる順序
・食事の欠食、間食
・好き嫌い
・起床時間、就寝時間
・散歩、運動
・買い物などの移動手段
・宅配の利用状況
・午睡(昼寝のこと)の有無、時間
・家での過ごし方
 e.g.フローリングに寝た状態でマンガ・ゲーム
   ソファーで過ごす時間が多い
   ソファーでの姿勢がほぼ横臥状態(横になっていること)

こういった点ですでに、
生活習慣病に向かう行動パターンを行っているということです。

この行動パターン一つ一つ予防のヒントになるということを
ぜひ受け止めていただければありがたいです。

他のリスク因子の理解を!

さらに、
 ▶加齢
 ▶肥満
 ▶飲酒
 ▶喫煙
 ▶運動不足
 ▶高血圧
 ▶ストレス
といったリスク要因が重なることで、より生活習慣病の発症を確実化させてしまいます。

何をはじめれば良いのか?

上記にあげた一つ一つに見直しをかけてみてください。

食事面】では、
・規則正しいですか?
・欠食、間食はしていませんか?
・味付けはどうですか?
・塩分の多い、漬物などの付け合わせが多くないですか?
・ボリュームはどうですか?
・おかわりは必要ですか?
・バランスはどうですか?
・好き嫌いはあったとしても、バランスは保てていますか?

【運動面】では、
・仕事や学校でのデスク時間は?
・通勤通学の移動手段の中に歩行時間はどれくらいありますか?それは何歩ですか?
・家で過ごす時間の中に、ゴロゴロ時間は何時間ですか?
・うたたねしていませんか?
・汗をかくような運動は取り入れていますか?

など、見直してみましょう!

筆者はしばしば次のアドバイスをします。

食事前か中か後にゼロキロカロリーを摂取しよう

※特別な健康上配慮の必要な病気がない人を対象にしています。
 (一次予防という段階でのアドバイスです。)
※アドバイスはすべての人に該当するわけではありません。
※特に、心臓疾患、腎機能など消化器疾患、飲み込みに障害のある人(嚥下機能低下)などではオススメしません。治療上、飲水制限がある人などは、主治医のアドバイスに基づく生活習慣の見直しを行ってください。

ゼロキロカロリーとは
▶飲料(水、麦茶、烏龍茶、ソーダ水…)でコップ2杯くらい
▶寒天、こんにゃく、…を適量
▶低カロリー食材(例えば、豆腐、もやし、きゃべつ、セロリ、大根、…)もok、その適量を

食べ方を工夫しよう!

▶食べる順番、「野菜類・キノコ類」→「タンパク質」→「炭水化物」の順
▶よく噛んで、時間をかけながら食べる。

おわりに・・・

生活習慣」という言葉は、たいへん意味深長な言葉だと筆者は受け止めています。
この言葉に込められた意味合いはたいへん深く複雑だということです。

自分が育った環境に健康にマイナスの影響となる落とし穴があれば、
ときを経て生活習慣病になってしまうといえるでしょう。

また、
成長期を経過し、成人として身体的に成熟すれば、
その後は身体機能が次第に低下へと向います。
当然として消化能力も、代謝機能なども低下していきます。
もし、食べる量を、
運動量低下、消化機能低下、代謝機能低下、筋肉量減少…
…に合わせて減量させていかなければどうなるでしょうか?

そうです。
あえて体に負担をかけなくても、
日常生活を送るだけで体に負担をかけていってしまうことになるのです。

つまり、生活習慣病のプロセスをたどっていることになるのです。

若いときはけっして太ることはなかったあの山盛りのご飯を、
20代後半、30代、40代…に同じ状態で食べてしまうと、
山盛りご飯ではなくても、体重増加を気にせずにそのままの食事量を続けてしまうと、
運動不足などもともなって、
必ずや肥満に向かうでしょう。

加齢とともに肥満傾向が顕著になるのは、
食べる習慣が変わらずに、あるいは、
運動量低下、身体機能低下などもともなって、
さまざまな要因が複雑に作用して、
糖代謝の機能にムリをさせ続けてしまっていることにあります。

肥満というシグナルは、たいへんシンプル認識把握やすいサインだということでもあります。

肥満を指摘されている人や、最近太ってきたと感じている人はぜひ、
生活習慣を見直すきっかけにしてもらえるとうれしいです。

食べたいという欲求を、別の何かに代用することからはじめると良いのかもしれません。
これは、心理学的にも有効な対処方法(代償行動)になります。

さみしい思いとか、みじめな感覚ではない前向きな受け止めをオススメします。
だって、そうすることで2型糖尿病などが予防できれば、
生活習慣に起因する疾患を予防できるだけでなく、
最期まで制限を必要としない食習慣を手に入れられるのですから。

筆者の経験から、、、
筆者はラーメンが好きで、昔はラーメン屋で「大盛」を食べていたのが当たり前でした。
予防災を知ってからは、ラーメン普通盛を必ず頼むように代えました。
けっして大盛を頼むことはありません。(そうしていこうと決めたということです。)
そして必ず(食前か食事中か食後に)2杯の水を飲むようにしました。

実は、それを続けて数年が経ちます。
今では、「普通盛」で十分おなかが満たされるようになっています。
ラーメン屋で食事前や食後に水を飲むようなこともなくなりました。
「普通盛」で充足感を得られるようになったということです。
筆者のBMIはおかげさまで 21.0(標準) です。

筆者は「おなかを満たすモノは、食べたいモノだけでなくていい
割り切ることができたことが根本にあります。
これまでは「食べたいモノでおなかをいっぱいにしたかった」のが率直な価値観でした。
それが、「食べたいモノ」だけでなく、
「それ以外のモノ」でも満たしていいのではないか?と。
そうすれば、糖尿病にならなければ、脳血管疾患や心疾患などを予防できる可能性が上がります。
逆に「食べたいモノ」を「いつまでも食べられる生活」を続けることができるのではないか?
と考えるようになりました。

筆者のアドバイスを参考にして、糖尿病が改善に向かった人はたくさんいます。
このような成功事例を心理学的にいう「取り入れ取り込み」をしたことにより
「彼等自らが成功事例」になっていったということです。
たいへん筆者は安堵しうれしく思っています。

ぜひ読者のみなさんも、生活習慣の落とし穴やリスク因子を知って、
生活習慣病の予防につなげていきましょう!
知った「今がスタートライン!」です。

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