【第45回】 ストレス:概要を知ることで体の反応の変化に気づこう!

メンタル
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今回は「ストレス」です。

広く認知されている言葉かもしれません。

ストレスに関する研究は日進月歩です。

一方で、まだまだ解明がされていないことも多いのが実情です。

ここでは、「ストレス」の概要についてご紹介します。

自分だけではなく、自分以外への関わりにおいてもぜひご活用ください。

ストレス

ストレスとは?

ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。その原因となる外的刺激(ストレッサーとそれに対する私たちの心身の反応(ストレス反応)とを合わせてストレスと呼ばれることもある。(出所:厚生労働省,e-ヘルスネット)

ストレスの原因となる外的刺激をストレッサーといい、これを含めてストレスと表現されることもあります。(出所:厚生労働省,e-ヘルスネット)

生体にひずみの生じた状態の意》寒冷・外傷・精神的ショックなどによって起こる精神的緊張や生体内の非特異的な防衛反応。また、その要因となる刺激状況。(出所:goo国語辞書)

医学用語として、「種々の外部刺激が負担として働くとき、心身に生ずる機能変化。ストレスの原因となる要素(ストレッサー)は寒暑・騒音・化学物質など物理化学的なもの、飢餓・感染・過労・睡眠不足など生物学的なもの、精神緊張・不安・恐怖・興奮など社会的なものなど多様である。」と説明されている。
さらに「俗に、精神的緊張をいう。ストレスがたまる」という説明もあります。(出所:岩波書店,広辞苑 第五版)

ストレスの原因

外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。(出所:厚生労働省,知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス)

つまり、日常の中で起こる様々な変化が、ストレスの原因になるのです。
たとえば、進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事でも、変化であり刺激ですから、実はストレスの原因になります。(出所:厚生労働省,知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス)

ストレス反応

ストレッサーによって引き起こされるストレス反応は、心理面身体面行動面3つに分けることができます。(出所:「厚生労働省,こころの耳」「こころの健康気づきのヒント集」より筆者作成)

▶①:心理面でのストレス反応
 気の低下、イライラ、不安、抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)、意欲や集中力の低下、おっくう感、怒りっぽくなる、不安感、緊張感、…など

▶②:身体面でのストレス反応
 体のふしぶしの痛み、頭痛、首や肩のこり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、高血圧、胃・十二指腸潰瘍、糖尿病、吐き気、めまい、眠れない・何度も目が覚める、だるさ・疲れやすい、…など

▶③:行動面でのストレス反応
 飲酒量や喫煙量の増加、作業効率の低下、仕事でのミス事故ヒヤリハットの増加、遅刻や早退が増える、食事の量が増えるまたは減る、…など

ライフイベントとストレススコア

図1.ライフイベントとストレススコア
(出所:Thomas Holmes と Richard Rahe(1968),Holmes and Rahe stress scale)

図1は、ストレススコアです。

点数は、何点以上から症状があらわれ始めるとか、病気になるという意味ではありません。
日常にはいろいろなイベントがあります。
出来事によるストレスの大きさを計数化してくれたものになります。

しかし、当事者のおかれている状況によっては点数も個人差があることは含みおきください。

然は然り乍ら、「」「」「」「」「」「」「」などが
ストレスキーワードになるようです。

ストレスサインを知る

①ストレスイベントがあった時に「んっ?」という勘を働かせましょう!
 「ストレスイベント」と「スコア」を紹介しました。
 自分に、周囲の人にそのような出来事/イベントがあった時には注意していくように心掛けましょう。
 把握は難しい反面、関心を寄せることは実践しやすいのかもしれません。
 気づいたり、心配してあげたり、さりげなく話題に乗せて見たりと、
 対処につなげていきたいものです。

②ストレスサインをつかむ。
 「ストレス反応」では、心理面身体面行動面3つを解説しました。
 それぞれの反応に心あたりや「もしかして?」があれば、
 ぜひ対処行動につなげていきましょう。

③自分以外のストレスサインに気づく。
 自分のことは比較的気づきやすいです。
 一方で、メンタル不調に対して
  「抑え込んだり
  「拒否したり
  「否定したり
 という対処行動が出てしまうことがあるため要注意です。
 この動きはたいへん自然な反応ですのでおおきく心配はいらないでしょう。
 筆者地震も表出できるようにしているかと言えば、
 自信をもってそうだとは言えません。
 ですから、そのうえで、
 素直に自分の不調を受け入れる心の準備をしていくことはとても大切だと、
 その点は前向きにとらえて実践しています。

 また、自分以外にも同じことが言えます。
 なかなか、不調を表出することが難しい人も多いです。
 社会生活ではさまざまなレベルの対人関係がありますが、
 ぜひ、ストレスサインに気づくことができるようなコミュニケーションをお願いします。

ストレス対処

ストレスの軽減・緩和

ストレスに対処する行動をストレスコーピングといいます。
 ①ストレスそのものに対する働きかけによってストレスをなくしてしまう方法
 ②ストレスに対して自分自身ならびに周囲の人の協力を得て解決する方法
 ③ストレスによって発生した自分の不安感や怒りなどの感情を周囲の人たちに聴いてもらうことによって発散する方法

などがあります。(出所:厚生労働省,こころの耳)

自分で対応しきれないストレス…
 自分の力と周囲の人たちの力を合わせて、よりよい解決の糸口を見出すことが重要

日頃からストレスが発散できるよう、趣味や生きがいとなるものを持つことも必要

問題解決のために協力してもらえる人間関係の構築も重要

私たちは「人 対 人」から、そして「自然」からもストレスを受けますが、
一方でそれらはストレスを癒す大きな存在でもあるのです。(出所:厚生労働省,こころの耳)

相談

信頼できる人や専門家に相談しましょう。
▶不安や心配が全面に出ている場合には、カウンセラーにまずは相談することが勧められます。
▶仕事のことで行き詰まった時には同僚や上司に
▶心身の異常であれば医療の専門家に
▶金銭に係る法的問題であれは法律の専門家に

相談してみましょう。

また、公的な機関が相談窓口を設けており、相談しやすいセーフティーネットです。

おわりに・・・

今回は「ストレス」の概要を紹介しました。
ストレスは「環境」「身体」「心理」「社会」的な影響を強く受けていることがわかりました。
ストレスによる心身の不調は、誰にでも起こる反応です。
いろんな事情があって、相談や対処行動へと踏み出せない人は、
”一歩踏み出す”ことだけで構いません、
「相談」という行動を試みましょう。

とは言いましても、その ”一歩” が難しいのが現状でもあります。
そのため、周囲にいる人にお願いがあります。
ストレスによる身体の不調がありそうな人には声をかけてください。
ストレスが原因でなくてもいつもと違うときは声をかけてください。
あるいは、声かけの中にそういった配慮をちりばめてください。
日常生活の中に、そういった変化をキャッチできるコミュニケーションがあることが大切です。
そうすることで、ストレス反応が進行することを予防することにつなげていけます。
最悪の事態を予防することにもつながります。
知った「今がスタートライン!」です。

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